どうも、フリーランスエンジニアのMakotoです。
AZ-900はMicrosoft社の資格試験の名称で、クラウドの特徴やメリット、Microsoft Azureの基本的な概念やサービスの内容を説明できることが求められます。
Azure初心者が最初に目指す目標としては最適ですが
こんなお悩みを持っている方も少なくないと思います。
そこで今回はAZ-900の概要や受験方法、オススメの学習方法をまとめてお伝えします!「Microsoft Azureってなに?」という方はこちらの記事を参考にしてください。
Azure認定資格と試験の種類
Microsoftの認定資格には非常に多くの種類があり、例えば次のような製品カテゴリごとに分類されています。
- Microsoft 365
- Windows Server
- SQL Server
その中の一つとして「Azure Fundamentals」と呼ばれるAzureの認定資格があります。全体像を知るにはMicrosoft Certification posterのPDFがわかりやすいです。
Azure認定資格は次の3つにレベル分けされており、Azure Fundamentalsは初級の資格に当たります。
- Fundamentals:初級
- Associate:中級
- Expart:上級
入門資格であるAzure Fundamentalsを取得するには、AZ-900の試験に合格する必要があります。
初級なのでそれほど難しくありませんが、クラウドとAzureの概要について広く浅く問われる印象です。私がもし初めてAzureを勉強するのであれば1~2か月程度はかかると思います。
- AZ-900は初級の資格なのでそれほど難しくはない
- 初めてAzureを学び始める場合の学習期間は1~2か月程度
ちなみに、あまり気にしなくても大丈夫ですが、Azure Fundamentalsが資格の名前でAZ-900が試験番号です。AZ-900は資格の名前ではありません。
また、中には資格取得のために複数の試験に合格する必要があるものもありますが、ほとんどのAzure認定資格ではひとつの試験に合格すればOKです。
ただし、AZ-305のようにExpertの認定資格の中にはAssociateの資格を取得していることが前提条件となっているものもあります。将来、中級以上の資格取得を目指す場合は頭の片隅に入れておきましょう。
認定資格 | 試験番号 | 前提条件の保持資格 |
---|---|---|
Azure Fundamentals | AZ-900 | なし |
Azure Administrator Associate | AZ-104 | なし |
Azure Solutions Architect Expert | AZ-305 | Azure Administrator Associate |
認定資格や試験の種類・条件は頻繁に更新されますので、受験前には公式のMicrosoftの認定資格をチェックしてください。
AZ-900の申し込みと受験方法
試験の概要
AZ-900の概要は次の通りです。
問題を解く時間は45分ですが、試験センターの場合は試験5分前には席に案内され、試験開始して15分程度は事前説明のウィザード(画面)を確認しながら進めるので、実質の着席時間は65分程度となります。
試験時間 | 45分 |
問題数 | 35~40問前後 |
合格ライン | 700点 |
受験料 | 13,750円(税込み) |
受験場所 | 試験センター、またはオンライン(自宅) |
試験申し込みは、Azure Fundamentalsのページの「試験のスケジュール設定」ボタンから行うことができます。申し込みにはMicrosoftアカウントが必要です。こちらの記事を参考にAzureの「無料アカウント」を作成することをオススメします。
入門資格であっても受験料は1万円越えなので、やはりベンダー資格は高いですよね。そこで、無料でAZ-900を受験する方法をご紹介します。
知らないと損!無料で受験する方法
2023年5月現在、Microsoft Virtual Training Day受講特典だった無料受験バウチャーの配布は終了しているようです。最新の情報は必ず公式ドキュメントをご確認ください。
Microsoft Virtual Training DaysというMicrosoftが提供する無料のオンライントレーニングの中の「Microsoft Azure Virtual Training Day: Azureの基礎」を受講するとAZ-900の無料受験バウチャーをゲットできます。
毎月1~2回程度、2日に分けて開催されているようで、3.5時間×2日=計7時間(休憩除く)のコースを受講すれば後日バウチャーがメールで送られてきます。
開催日程が決められているので参加しづらいかもしれませんが、オンラインで完結するのでぜひ活用してみてください。
2日間のコースの受講が条件ですが、サインインして受講画面を開いておけば(極端に言えば視聴していなくても)良いようです。
インタラクティブ(双方向)の講義ではなく、一方的に配信される内容を視聴するだけなので「ながら聞き」でも良いかもしれません。
ただし、無料受験バウチャーの有効期限は90日ですので、受講後に取れる学習の猶予期間を踏まえて計画的に申し込むようにしましょう。
Q.試験のディスカウントの有効期限はいつまでですか?
A.お客様が Microsoft Virtual Training Days に参加したのが 2021 年 6 月 30 日以前の場合、試験バウチャーは 2021 の 9 月 30 日に有効期限が切れます。
イベントに参加したのが 2021 年 7 月 1 日以降の場合、割引はイベントの出席日から 90 日間有効です。イベントの日から 90 日以内に試験をスケジュールして受験する必要があります
問題の出題パターン
問題は次のような形式で出題されます。記述はありません。
- 選択問題(1つ or 複数)
- 正誤問題(Yes or No)
- ドラッグ&ドロップ
- ホットエリア
出題パターンを把握するには次の2つがオススメです。
特に「Microsoft認定資格サンドボックス」は本番と同等の画面、出題パターンを予習できます。
AZ-900ではリストの作成、事例など複雑な形式のものは出題されませんが、当日慌てないよう上記サイトを事前に確認して慣れておくことをオススメします。
受験当日の流れと注意点
試験センターで受験する場合、次のような流れで受験します。15分前までには到着しましょう。
- 受付で署名・身分証明書提示
- 写真撮影(撮影時はマスクを外す)
- 荷物をロッカーへ
- 席へ案内(5分前)
- 事前説明、秘密保持契約などを画面で確認したあとに解答開始
- 試験終了すると合否結果と点数がその場で表示
- 受付に戻りレポートを受け取って終了
初めての試験センターは迷うこともあります。地理的には「あー、あそこのビルね」と思っていても間違えてしまったり、建物内の試験センターの入り口(テナント)がどれかわかりにくい場合もあります。余裕を持って家を出ましょう。
受付を済ませた後、試験開始までまだ時間が余っている場合は5分前までは復習することもできますが私は落ち着かないので案内してもらいます。
身分証明書は昔は2種類必要だった気がしますが、2022年4月現在は運転免許証など「氏名、写真、署名付きの政府発行の本人確認書類1点」だけになっています。変更される可能性はあるので、念のため試験申し込み時に本人確認書類に関するポリシーを確認してください。
身分証明書1点は席へ持ち込んで受験中は机の上に置いておく必要があります。ハンカチやメガネなどは持ち込めますが、スマホなどの電子機器は当然持ち込めません。腕時計もNGのはず(残り時間はPC画面でわかります)ロッカーに荷物をしまう際には衣服のポケットが空になっているか点検しましょう。
試験時間45分あれば時間が足りなくなることはないと思います。ただ、本番では慎重になるので練習問題を解く時よりは時間はかかります。時間配分に気を付けながら1問あたり1分くらい目安で進めましょう。
問題を解き終わったら一通り見直しをします。回答を見直すにはレビュー画面が便利です。問題ごとにある「あとで見直す」にチェックを入れておくことで自信のない問題だけなどに絞り込んで見直すことができます。また、解答漏れ(クリックミス)がないことも確認しておきましょう。
- 身分証明書を持参していることを確認
- 時間に余裕を持って出発
- 時間配分に気を付けながら落ち着いて解答
- 最後にレビュー画面で見直しを
試験の範囲
AZ-900の学習ガイドに書いていますが、分野と配分は次のように定められています。
試験範囲はしばしば改定されます。直近では2022年5月5日に英語版試験が改定され、後追いで2022年8月5日頃に日本語試験も改定されました。
改定される前の試験範囲は次のように6つの分野に分かれていましたが、改定後は3つにぎゅっと統合されました。改定後も「クラウドの概念」の配分率が高く、Azureに限らずクラウド共通の知識の重要性がうかがえます。
2022年5月5日の改定に関する内容の詳細はこちらの記事にまとめていますのでチェックしてみてください。
AZ-900オススメの学習方法(参考書+問題集)
私がオススメする学習方法は参考書と問題集の併用です。
大前提として問題を解いて慣れておかないと一発合格は難しいと思います。参考書を読むと理解したつもりになるのですが、ほとんどの知識は時間が経つとビックリするくらい忘れます。
参考書をざっと読んで早めに問題集に取り掛かることをオススメします。最初から参考書をじっくり読み込む必要はありません。流すくらいで大丈夫です。
問題と解いてその回答を見ながら参考書を何度も見返す、といったように辞書的な使い方をして反復させることで知識として定着していきます。
苦手な分野、ワードは自分ノートにまとめると良いです。能動的に手を動かしてメモすることで記憶に残りやすくなりますし、あとで苦手部分だけ見返すのにも便利です。紙のノートでもデジタルノートでも好みに応じて使い分けてください。(私はデジタルノート派です。スマホで見返すのに便利)
あと、書籍自体も紙 or デジタル論争がありますが、私はスクショを撮ってまとめたい派なのでIT関連の書籍は全てKindleで購入しています。直接書き込みたい人は紙のほうが良いかもしれません。
参考書に載っている問題や巻末の模擬試験も役に立ちますが、私の感覚では少し数が足らないかな~という印象です。
2024年7月時点のオススメの教材をピックアップしてみました。
オススメの参考書
試験範囲以外にもクラウドの定義、サーバとは?Webアプリケーションとは?といった前提知識が解説されており図解も豊富でAzure初心者にもわかりやすいです。
重要なポイントは「試験対策」として、参考に知っておいた方がよい情報は「参考」「コラム」などで区切りごとに補足されている点も読みやすいです。
もともと、通称「黒本」として人気だった参考書ですが、2024年6月に改訂版が発売されデザインも刷新されました。私のイチオシ書籍です。
図解も豊富で解説もわかりやすいのですが、この書籍は「最短距離で合格すること」を謡っており、良くも悪くもバッサリ省略されている箇所がチラホラありました。ある意味ムダがなく演習問題に力が入れられている良書です。
こちらの書籍も2023年8月に改訂され、最新化されています。
書籍を選ぶのであればこの2つのどちらかを選択しておけば間違いないと思います。
オススメの動画講座
書籍よりも動画で学びたい方はUdemyで私が販売している動画講座をオススメします。
豊富な図解を用いて丁寧に解説した数少ない日本語の動画講座です。要所で試験で問われそうなポイントも解説しています。おかげさまで、Azureの日本語での動画講座としては受講者数No.1の人気を誇っています。
本ブログで無料公開している記事がベースなので、動画でなくてもよい場合はブログ記事をご活用ください。
オススメの問題集
こちらもUdemyで私が販売している問題集です。1回あたり60問で5回分、計300問(+旧試験の問題)を収録しています。
私が一からAzureを学んできた経験を元に躓きそうなポイントを丁寧に解説しています。受講生から多くの合格の声を頂いており、自信を持ってオススメします!
こちらもUdemyの問題集です。問題の量が多いので、とにかく問題を多く解いて慣れておきたい方にはオススメです。
ちなみに、「マイクロソフト公式演習テスト」も買ってみたのですが正直こちらはあまりオススメはできません・・・
その他
Microsoft Learnは、Microsoftのサービスを体系的に学ぶことができる無料の学習サイトです。学習を進めるごとに経験値がたまっていきレベルアップしていくので、RPGゲームのような感覚で楽しみながら学習を進めることができます。
複数のレクチャーから構成されるラーニングパスと呼ばれるグループ化された演習コースがあり、無料で受けられる試験対策としても公式に提供されています。以下の動画がわかりやすいです。
と、ここまで説明しておいて何なんですが、個人的にはMicrosoft Learnの利用はオススメしません。
無料で受けられますし体系的に整理されているので人気のコンテンツではあるのですが、試験対策としては次の理由で推しにくいです。
- 機械的に翻訳したようなわかりにくい表現がある
- すべての試験範囲が網羅されていない
ただでさえ抽象的でわかりにくいクラウドを学ぶ上で日本語がおかしい、わかりにくいのは初学者にとって挫折する原因になります。(ある程度前提知識がある方、読解力に自身のある方はこの限りではありません)
Microsoft Learn自体は優れたコンテンツなので将来的に活用しない手はないですが、AZ-900の試験対策としてはサブ教材としてサラッと見る程度にして、今後さらなるステップアップを目指す時の手段として取っておくのが良いと思います。
実際に受験してみた
私が実際に受験した体験記はこちらの記事にまとめていますので、よければ参考にしてください。
今回はAZ-900の受験方法と試験対策、オススメの学習方法をお伝えしました。この記事があなたの受験対策の参考になれば嬉しいです。
それでは、また。