どうも、フリーランスエンジニアのMakotoです。
今回は、Azure Advisorについて解説します。
アドバイザー(Advisor)というワードからもわかるようにAzureを利用する上でのアドバイスを提供してくれる便利なサービスです。ぜひ、最後までお読みください。
それではいってみましょう!
Azure Advisorとは?
Azure Advisorは、Azure上のコンサルタントのようなもので、展開されているリソースを自動的に分析し、一般的な最良の事例(ベストプラクティス)に従って「こうしたほうがいいよ」とアドバイス(推奨事項)を表示してくれます。AWSでいうところの「AWS Trusted Advisor」です。
Azure Advisorは無料で利用できます。
Azureポータルの「Advisor」のメニューをクリックすると確認することができます。
5つのカテゴリ
Azure Advisorの推奨事項は次の5つのカテゴリに分類されています。
- 信頼性 (旧称: 高可用性)
- セキュリティ
- パフォーマンス
- コスト
- オペレーショナル エクセレンス
仮想マシンを例に挙げるとわかりやすいところで次のような推奨事項があります。
- あまり使われていないVMはサイズを変更するか停止する
- VMに接続されず孤立しているディスクがある(不要であれば削除する)
- VMのバックアップを有効にする
なお、オペレーショナル エクセレンス(Operational Excellence)だけ少しわかりにくいかもしれません。
直訳すると「優秀な運用」といった意味で、Azureリソースを運用していく上でワークフローを効率化したりリソースを管理しやすくするための推奨事項を表示してくれます。
例えば次のようなものがあります。
- Azure PolicyでリージョンやSKUを限定する
- SDKなどのバージョンを最新にする
- クォータ制限に引っかからないよう上限をあげておく
Advisor スコア
Azure Advisorには推奨事項をどれくらい達成しているか度合いを表すAdvisorスコアという機能があり、推奨事項を満たしているほどスコアが高くなります。
画面の例では100%になっていますがこれはリソースがほとんど存在しないためです。5つのカテゴリのタイルをクリックすることで推奨事項の一覧を確認することができます。(左側の推奨メニューからも確認可)
一つ一つ消し込んでスコアをアップしていくのはAzure環境をレベルアップしていく感覚なので楽しいですね。
Advisor アラート
Azure Advisorには通知を送るための設定もあります。
- アラート
- 推奨事項ダイジェスト
Advisorアラートでは、特定の条件の推奨事項があった場合に通知を受け取ることができます。
次の画面例ではカテゴリは任意で、影響のレベルが「高」の場合のみアラートするように設定しています。
Advisor 推奨事項ダイジェスト
推奨事項ダイジェストでは定期的なレポートを受け取ることができます。
次の画面例では毎週すべてのカテゴリの推奨事項に関するレポートを受け取るように設定しています。
Azure Advisorの注意点
AZ-900試験で問われやすそうな注意点について解説します。
利用を制限することはない
Azure Advisorはあくまでも推奨事項を提案するだけのもので、何かの利用を制限したりすることはありません。
推奨事項は既存リソースに関してのみ
Azure Advisorはすでに存在しているリソースを分析して推奨事項を表示します。
ネットワークや仮想マシンなどを新規作成する場合に「こう構成したほうがいいよ」といった推奨事項を表示するわけではありません。
推奨事項を満たすために有償サービスが必要な場合も
Azure Advisorの利用自体は無料です。
しかし、推奨事項を満たすためにコストがかかるサービスの利用が前提となっている場合もあります。
例えば次の推奨事項では「キーコンテナー」という機密情報を格納するためのサービスに安全にアクセスするために「プライベートエンドポイント」を構成すべき、と表示されています。
まとめ
今回はAzure Advisorの概要について解説しました。AZ-900試験の対策としては特に最後に解説した「注意点」の内容をおさえておきましょう。
Azure Advisorの推奨事項を眺めていると「こういった観点で設定したほうがいいんだな」と設計観点で学びになることもあります。
最初のうちは推奨事項の内容とその効果がわかりやすい「コスト」をチェックするのが良いのではないでしょうか。
それでは、また。